数学

フーリエ解析


予備知識

  • f(x)が偶関数であるとき、任意のxについてf(-x) = f(x)が成立する
    • 例: \cos{(-x)}=\cos{(x)}, f(x)=x^2
  • f(x)が奇関数であるとき、任意のxについてf(-x) = -f(x)が成立する
    • 例: \sin{(-x)}=-\sin{(x)}, f(x)=x^3
  • 関数の積
    • 偶関数x偶関数=偶関数
    • 奇関数x奇関数=偶関数
    • 偶関数x奇関数=奇関数
  • 周期関数
    • f(x)=f(x+T)を満たすとき関数f(x)は区間[-\frac{T}{2},\frac{T}{2})をとる周期Tの関数と言う
  • 関数の連続性と微分可能性
    • 区間[-\frac{T}{2},\frac{T}{2})内の関数f(x)の不連続点a_xについて、その両側の極限値\lim_{x \to a_x\pm 0}f(x)が存在する第一種不連続点であり、尚且つその個数が有限個であるとき関数f(x)は区間[-\frac{T}{2},\frac{T}{2})において区分的に連続であると言う
    • 区間[-\frac{T}{2},\frac{T}{2})内の関数f(x)C_1級関数であり、導関数f'(x)が区分的に連続であるとき、関数f(x)は区間[-\frac{T}{2},\frac{T}{2})において区分的に滑らかであると言う
  • オイラーの公式
    • e^{j\theta} = \cos{\theta}+i\sin{\theta}
      • \left\{\begin{array}{ll}e^{j\pi} =& \cos{(\pi)}+isin{(\pi)} = -1 \\ e^{ik\pi} =& \cos{(k\pi)}+i\sin{(k\pi)} = \cos{(k\pi)} = (-1)^k \\e^{ik\pi} =& \cos{(-k\pi)}+i\sin{(-k\pi)} = \cos{(k\pi)} = (-1)^k \end{array}\right. \\
      • \sin{\theta} = \frac{e^{j\theta}-e^{-j\theta}}{2j}
      • \cos{\theta} = \frac{e^{j\theta}+e^{-j\theta}}{2}

フーリエ級数展開

  • フーリエ級数展開とは任意の周期関数を周期2\piをもった三角関数系の一次結合で表す方法である。
  • 周期2\piのフーリエ級数展開
    • 区間[-\pi,\pi]において広義積分を含まない、すなわち有界なリーマン可積分関数f(x)の三角関数系におけるフーリエ級数及びフーリエ級数は以下の通りである(なお、フーリエ係数a_nnの範囲に定数項であるa_0も含まれていることに注意)。
      • f(x) \sim \frac{a_0}{2}+\sum^{\infty}_{k=1}(a_k\cos{kx}+b_n\sin{kx})
      • a_k = \frac{1}{\pi}\int\nolimits_{-\pi}^{\pi}f(x)\cos{kx}dx (k=0,1,2,\cdots)
      • b_k = \frac{1}{\pi}\int\nolimits_{-\pi}^{\pi}f(x)\sin{kx}dx (k=1,2,\cdots)
  • フーリエ級数の収束性
    • 関数f(x)が区分的になめらかならば、f(x)のフーリエ級数は全ての点で収束する。その値をs(x)とすると、関数f(x)が連続な点x0ではf(x0)に、不連続な点x_0ではs(x_0)をとることが示される。したがってフーリエ級数の式に近似の\simを用いて関数f(x)を表している。
    • s(x_0) = \frac{f(x_0+0)+f(x_0-0)}{2}
  • 周期Tのフーリエ級数展開
    • 周期関数の周期が2\piではない場合、すなわち周期Tのような場合のフーリエ級数は以下の通りである。
      • x=\frac{2\pi}{T}x'で変数変換した結果f(x')を改めてf(x)とし、式を整理すると
      • f(x) \sim \frac{a_0}{2}+\sum^{\infty}_{k=1}(a_k\cos{k\frac{2\pi}{T}x}+b_k\sin{k\frac{2\pi}{T}x})
      • a_k = \frac{2}{T}\int\nolimits_{-\frac{T}{2}}^{\frac{T}{2}}f(x)\cos{k\frac{2\pi}{T}x}dx (k=0,1,2,\cdots)
      • b_k = \frac{2}{T}\int\nolimits_{-\frac{T}{2}}^{\frac{T}{2}}f(x)\sin{k\frac{2\pi}{T}x}dx (k=1,2,\cdots)

複素フーリエ級数展開

  • 複素フーリエ級数展開とは、フーリエ級数展開をオイラーの公式を用いて複素指数関数で表現したものである。
  • 複素フーリエ係数C_k
    • まず三角関数をオイラーの公式を用いて等式変形をし、符号を揃える。
      a_k\cos{kx}+b_k\sin{kx} = a_k\frac{e^{ikx}+e^{-ikx}}{2} + b_k\frac{e^{ikx}-e^{-ikx}}{2i}
      = \frac{a_k-ib_k}{2}e^{ikx}+\frac{a_k+ib_k}{2}e^{-ikx}
    • ここで複素フーリエ係数C_kを次のように定義する。
      C_{0} = \frac{a_0}{2}, C_{k} = \frac{a_k-ib_k}{2}, C_{-k} = \frac{a_k+ib_k}{2}, C_{k}=\bar{C}_{k}
  • 周期2\piの複素フーリエ級数展開
    • フーリエ級数展開は複素フーリエ係数を用いることにより以下のようになる。
      f(x) \sim \sum^{\infty}_{k=-\infty}C_{k}e^{ikx}
      C_k = \frac{a_k-ib_k}{2}
      = \frac{1}{2\pi}\int\nolimits_{-\pi}^{\pi}\{f(x)(\cos{kx}-i\sin{kx})\}dx
      = \frac{1}{2\pi}\int\nolimits_{-\pi}^{\pi}f(x)e^{-ikx}dx
  • 周期Tの複素フーリエ級数展開
    f(x) \sim \sum^{\infty}_{k=-\infty}C_{k}e^{ik\frac{2\pi}{T}x}
    C_k = \frac{1}{T}\int\nolimits_{-\frac{T}{2}}^{\frac{T}{2}}f(x)e^{-ik\frac{2\pi}{T}x}dx

フーリエ変換と逆フーリエ変換

  • フーリエ級数展開は周期関数を対象としていたが、周期T\to\inftyの極限をとることにより無限の周期となる。これをフーリエ変換と言い、非周期信号に対しても周波数領域での解析を可能とする。
  • 基本周波数
    • 波が一定の周期Tで振動している時、その波は必ず基本周波数(=1/周期)の整数倍の波の重ね合わせによって表現可能である。
  • フーリエ変換の導出
    • まず複素フーリエ級数展開の式に複素フーリエ係数の式を展開する。
      f(x) \sim \sum^{\infty}_{k=-\infty}\left\{\frac{1}{T}\int\nolimits_{-\frac{T}{2}}^{\frac{T}{2}}f(x)e^{-ik\frac{2\pi}{T}x}dx\right\}e^{ik\frac{2\pi}{T}x}
    • ここで\omega_{k} = k\frac{2\pi}{T}, \Delta\omega = \omega_{k+1}-\omega_{k} = \frac{2\pi}{T}とすると
    • f(x) \sim \sum^{\infty}_{k=-\infty}\left[\left\{\frac{1}{2\pi}\int\nolimits_{-\frac{T}{2}}^{\frac{T}{2}}f(x)e^{-i\omega_{k}x}dx\right\}e^{i\omega_{k}x}\right]\Delta\omega\\
    • F(\omega_{k}) = \int\nolimits_{-\frac{T}{2}}^{\frac{T}{2}}f(x)e^{-i\omega_{k}x}dxとおくと、リーマン和の定義に基づき式の形を積分へ変形可能である。以下に示す。
    • f(x) \sim \frac{1}{2\pi}\sum^{\infty}_{n=-\infty}F(\omega_{k})e^{i\omega_{k}x}\Delta\omega
      \sim \lim_{\Delta\omega \to 0}\frac{1}{2\pi}\sum^{\infty}_{n=-\infty}F(\omega_{k})e^{i\omega_{k}x}\Delta\omega
      \sim \frac{1}{2\pi}\int\nolimits_{-\infty}^{\infty}F(\omega)e^{i\omega{}x}d\omega
    • よって以下のF(\omega)をフーリエ変換、f(x)をフーリエ逆変換と言う。
      F(\omega) = \int\nolimits_{-\infty}^{\infty}f(x)e^{-i\omega{}x}dx
      f(x) = \frac{1}{2\pi}\int\nolimits_{-\infty}^{\infty}F(\omega)e^{i\omega{}x}d\omega
  • スペクトルの間隔
    • スペクトルの間隔は複素フーリエ係数の式によると、周期Tに反比例する。つまり理論上、周期を無限にとることにより、周波数スペクトルの間隔は限りなく0に近くなり、周波数の連続スペクトルとなる。この原理を適用したものがフーリエ変換であり、時間領域から周波数領域へ変換するための重要な式である。

関連リンク


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Last-modified: 2009-06-15 (月) 20:37:40 (4511d)