数学

複素解析


複素関数の微分

微分係数

  • 複素関数について
    • \lim_{z \to z_0} \frac{f(z)-f(z_0)}{z-z_0}
  • 上記式がz \to z_0のどのような近づけ方でも収束するとき、複素関数f(z)z=z_0で微分可能であるという。
  • また、そのときの極限値をz=z_0における微分係数といい、f'(z_0)と表記する。

正則関数

  • f(z)z_0を含むどんな近傍の点においても微分可能であるとき、f(z)z=z_0で正則であるという。
  • f(z)が領域D内の全ての点で微分可能であるとき、領域Dで正則であるといい、f(z)は領域Dで正則関数という。

複素関数の積分

コーシーの積分定理

  • 単純閉曲線Cで囲まれた内部の領域をDとする。複素関数f(z)が、C及びその内部Dで正則、かつその導関数が連続の場合、以下の式が成り立つ。
    • \oint\nolimits_{C} f(z)dz = 0

グルサの定理

  • 複素関数f(z)が単純閉曲線Cとその内部Dで正則ならば、f(z)は全ての次数の導関数をもち、それらも全て正則である。
  • また、D内の任意の点\alphaについて、以下の式が成り立つ。
    • f^{(n)} (\alpha) = \frac{n!}{2 \pi i}\oint\nolimits_{C} \frac{f(z)}{(z-\alpha)^{n+1}} dz

ローラン展開とローラン級数

  • 関数f(z)が円環領域r_1 \lt |z-\alpha| \lt r_2で正則であるとき、円環領域内の点zに対してf(z)は次のように展開される。
    • f(z) = \sum_{k=-\infty}^\infty a_k(z-\alpha)^k
      ( a_k = \frac{1}{2\pi i} \oint\nolimits_{C}\frac{f(z)}{(z-\alpha)^{k+1}}dz )
  • これを\alpha中心のローラン展開と言う。
  • また、関数の特異点の解析を行う為に以下のように等式変形を行う。
    • f(z) = \sum_{k=0}^\infty a_k(z-\alpha)^k + \sum_{k=1}^\infty \frac{b_k}{(z-\alpha)^k}
      ( a_k = \frac{1}{2\pi i} \oint\nolimits_{C}\frac{f(z)}{(z-\alpha)^{k+1}}dz, b_k = \frac{1}{2\pi i} \oint\nolimits_{C}f(z)(z-\alpha)^{k-1}dz )
  • ここで上記f(z)の第1項はテーラー展開と同じであるが、第2項の方を主部と言う。簡単に言えば、円r_1も含んだ形となっている円r_2の領域内の全ての点zに対して正則である場合、第1項のみが残り、テーラー展開と一致する。

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Last-modified: 2009-08-10 (月) 21:39:34 (5366d)